全力さんのブログを読んでいて、過去記事で「美ジョガーと出会うための戦略」という興味深い記事があった。
www.all-out-running.com
全力さん、すみません。リンク貼らせていただきました。
その中で、アメリカは女性ランナーが多いということが書いてあり、確かにその通りなのだが、アメリカのランナーの属性をみると、特に私の住んでいる郊外の事情は、マンハッタンのようなニューヨーク市内とだいぶ違うので、そのあたりをお話ししようと思う。
結論からいうと、郊外には若者ランナーが著しく少ないのだ。
マンハッタンの中、つまりセントラルパークの中とかハドソン川沿いを走ると、そう、若い女性のランナーが沢山走っている。私はたまにしかマンハッタンでは走らないのだが、若い女性だらけである。そして、そう、ちょっとあったかくなると、まあ、薄着だこと。こっちの女性は、少しくらい何かが見えたところであまり気にしない感じのよう。
ちなみに、全く話題がそれるが、
毎年夏になると、マンハッタンのブライアントパークという公園の芝生広場で、夜映画を上映することがある。私は、ある夏、夕方から芝生にシートを敷いて場所取りをし、寝っ転がって相方が到着するのを待っていた。まだ陽も出ている時間でまぶしかったので顔には帽子をかぶせて寝っ転がっていたのだが、ふと時計でも見ようとして顔の帽子をどけると、スカート姿の若い女性が私の顔の上に立っていた(!)。正確に言うと、私の顔をまたぐような位置関係で立っていて、連れの男としゃべってる。
ちょちょちょ、見えすぎなんですけど。私、真下にいるんですけど。。男の夢かよ!(笑) ちなみに女性は気づいていないのか気づいても見られて構わないと思ったのか、全くどこうとしないので、私は思わず寝返りを打って視線を反らし、寝たふりをしましたよ。。
ところが、私の住む郊外だと、女性に限らず、若者ランナーがほとんどいない。
というか、そもそも若者がほとんど住んでいないのである。郊外には基本的に家族持ちしかいないのである。
これには少し事情の説明が必要であろう。
アメリカは高校くらいまでは子供を公立学校に通わせる家が多い。公立学校のレベルは地域によってまちまちだが、レベルの高い公立学校に通わせたい家庭はそうした学校の学区に住むことになる。そして、そういう学区は往々にして都市部ではなく家族持ちが住みやすい郊外に所在する。
公立学校なので学費はタダなのだが、レベルが高い公立学校はレベルが高い教師を雇ったり施設を充実させたりする必要があり、それらのコストは税金で賄われる。この税金は町や村といったごく狭い単位(町や村といっても日本でいう街区くらいの広さしかない)で徴収される住民税なので、レベルの高い公立学校が所在する町や村の住民税は高くなる。
そうすると、こうした地域に住むのは比較的お金のあるしかも学齢期の子供がいる家庭ばかりになり、学齢期の子供がいない独身者や若いカップルは、受益もしないのに高い税金を払って、しかも通勤に1時間もかかるという郊外に住むインセンティブはないので、郊外にはほとんど住まないのである。店は夜早く閉まるので若者の生活には不便だし。
われわれ日本人の駐在員(の家族持ち)が住むのは、治安の問題もあり子供の教育の問題もあり、ニューヨーク郊外のこうした地域になるので、したがって、私が家の周りを走っていても、出くわすのは子供連れのお父さんお母さんだったり、子供がある程度大きくなって健康づくりでもするかと思ってる私と同年代以上の世代だったり、近所の高校生だったりするが、その間の若者世代というのはほぼいないのである。
データで見てみる。
米国の統計による年齢層別人口比(%)である。全米、ニューヨーク市、スカースデール村の3つの比較である。
スカースデールというのは全米でも最高レベルの学区と言われており、私が住んでいる町ではないのだが(私の町のとなり)、こうした郊外の事情をよく表していると思うのでそのデータを使おう。
全米 | ニューヨーク市 | スカースデール | |
---|---|---|---|
0-5才 | 6.0 | 6.5 | 5.2 |
5-19才 | 19.2 | 16.5 | 28.2 |
20-34才 | 20.4 | 24.6 | 6.4 |
35-49才 | 19.0 | 20.1 | 21.9 |
50-59才 | 13.0 | 12.5 | 16.5 |
60才以上 | 19.7 | 19.7 | 21.7 |
郊外は子供とその親世代が多く、そしてその間(20-34才)が極端に少ない。
ちなみに、女性に限ってみると、
全米 | ニューヨーク市 | スカースデール | |
---|---|---|---|
20-24才 | 6.6 | 6.7 | 3.3 |
25-29才 | 6.8 | 9.2 | 1.4 |
30-34才 | 6.6 | 8.3 | 2.1 |
20代後半の女性、ニューヨーク市内では9.2%もいるのに、スカースデールでは全体の1%強しかいません。。走っているときに限らず、町で出会うことも奇跡に近い。
もうひとつ、昨年9月に私の住む町で行われたローカルレース、Eastchester 5kレースの完走者数。
全体632人。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
0-12才 | 71 | 65 |
13-19才 | 68 | 30 |
20-29才 | 13 | 19 |
30-39才 | 30 | 44 |
40-49才 | 83 | 75 |
50-59才 | 54 | 55 |
60才- | 21 | 4 |
合計 | 340 | 292 |
女性の数は男性にかなり近いので、女性ランナーが比較的多いということは言えるが、やはり20代は男女とも少ない。
お父さん世代、頑張ってるなぁ。
まあ、若者が少なかったとしても、女性ランナーは沢山いるので、美ジョガーに会える確率は高いのは確かだと思いますが。