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フレーム内装のシフトケーブル(インナー)交換 - ワイヤーを引抜いてしまった場合

先週乗っているとき、Noah Fastのフロントシフトワイヤー(インナーケーブル)がディレイラーのところで切れているのを発見。
FDなんか死ぬわけでもなし、内装ケーブルだから交換面倒だし、細いのが1本切れてるくらいならとりあえず放っておくか、と思っていたが、よく見たら3本ほど切れていた。仕方ない、即交換。

1. フレーム内装の場合のインナーケーブル交換方法(教科書的手順)
内装ケーブルの場合、ワイヤーが切れる前にワイヤーにライナーをかぶせる形でフレーム内部に通すことによりフレーム内部にハウジングのルートを確保。ライナーが通ったら古いワイヤーを抜き取り、新しいワイヤーを逆側から通す。
何も難しいことはない。

2. ワイヤーを引抜いてしまった場合のインナーケーブル交換方法
何らかの理由でライナーを通さずにワイヤーを引抜いてしまった場合(今回の私)。
私は、手持ちのライナーが太くてBB下のケーブルガイドを通らなかった(ていうかケーブルガイドの隙間が小さすぎるんだよ)ので、とりあえず新しいワイヤーをシフターに取り付けハンドルバーを通してから考えればいっか、と思って古いワイヤーを引抜いてみた(笑)。

これ、ワイヤーを通しなおすの結構大変なのだが、私の苦労話には誰も関心がないので、こうやればできる、という結論だけ書くことにする。

基本的には、ワイヤーだけを通そうとするのではなく、ライナーを通し直すことを考える。

(1)BB下からヘッドチューブ
フロントのシフトワイヤーは、ヘッドチューブのところからダウンチューブの中を通ってBB下のケーブルガイドを経てシートチューブ下部のFD側の開口部から出てくる。まずは、BB下とヘッドチューブの間を通す。

ポイントは、フォークを抜くこと。

今回、古いワイヤーを抜き取るときに、もともとライナーがワイヤーについていたことが判った。もともとはヘッドチューブ開口部とBB下ケーブルガイドとの間で固定されていたはずなので、そうであれば何も考えずにヘッドチューブ開口部から新しいワイヤーを通せばよかったのであるが、BB下の固定は外れてしまっているので、その使い方はできない。
しかし、このライナー、手持ちのよりだいぶ細く、BB下ケーブルガイドを通ることができる。
したがって、BB下からダウンチューブに沿ってライナーを通して行く。ただし、どんなに頑張ってもヘッドチューブ開口部にうまく届くことなどないので、フォークを外してヘッドチューブ下部から手を入れて迎えに行く。一方、新しいワイヤーは、シフター、ハンドルバーに通した後、ヘッドチューブ開口部から差し入れ、やはりヘッドチューブ下部で迎えに行く。ここでワイヤーをライナーに通してするすると入れていけば、やがてBB下から顔を出す。
特段難しいことはない。
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(※)赤がワイヤー、黒がライナー

もし、ケーブルガイドを通るような細いライナーがなかったらどうするか。
(2)でもやるように、古いワイヤーをBB下から通していき、ヘッドチューブ下部で捕まえる。そこからライナーをかぶせる形でBBに向かって通して行く。ケーブルガイドをクリアーすることはできないが、押し込めばケーブルガイドのところで、少しの力では外れないくらいに固定される(たぶん)。その隙に、古いワイヤーを抜いて、新しいワイヤーを通す。

(2) BB下からシートチューブ開口部
距離は短いが、こっちの方が難易度が高い。BB下まで出てきた新しいワイヤーをいくら闇雲に通そうとしても、シートチューブ開口部はかなり狭いこと、BB下からBBシェル部分をカーブする必要があり直線ルートではないことから、うまいことシートチューブ開口部までたどりつく可能性は限りなくゼロに近い。
したがって、ヘッドチューブからBB下まで通した新しいワイヤーはとりあえず置いておいて、やはり何らかの方法でライナーをBB下からシートチューブ開口部まで通してハウジングルートを確保する必要がある。

ポイントは、サドルを外して魚釣り

(1)と同様、両エンドからライナー、ワイヤーを入れていき、見える場所、触れる場所で両者をつなげることを考えると、BBを外すのを回避するのであれば、サドルを外すしかない(ISPでないバイクの場合は、シートポストを外す)。サドルを外して、ライナー、ワイヤーをシートチューブ上端まで引っ張ってくるしかない。
幸いNoah Fastはシートチューブが翼面形状で径が大きいので、見やすく作業も比較的やりやすい。

具体的には、まず古いワイヤーをBB下から通す。先端をカーブさせておいてなんとか先端がシートチューブの方に顔を出すようにする(カーブさせないとチェーンステーの方に行ってしまう)。上手いことシートチューブの方に出てきたら、とにかくワイヤーをBB下からどんどん入れていく。そうするとシートチューブ内でワイヤーがぐるぐる渦巻く感じになるので、何か細い棒状のものをシートチューブ上端から突っ込んで引っ掛けて上まで引っ張って来る。私はメジャーの先にクリップを付けたものを使った。

一方、シートチューブ開口部(FD傍)からはライナーを入れていく。ただし、開口部は下向きになっているので普通に挿し入れていくと、決して我々が待っているシートチューブ上方には来てくれず、ダウンチューブの方に向かって行ってしまう。そこで、ライナー先端に輪ゴムを付けて輪ゴム部分がちょうどシートチューブ直下にくるようにし、先ほどのメジャーの先にクリップを付けたもので吊り上げる。いや、釣り上げる。
これで、ワイヤーとライナーの両方ともがシートチューブの上から顔を出した。
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ワイヤーの長さに余裕があれば、その場でするするとワイヤーをライナーに通して行けるのだが、そんなに長くないので手元で通そうと思っても途中で長さが足りなくなってしまう。そこで、ワイヤーを10cmくらいライナーに通したところで接着剤で接着。抜けないようにしたうえで、ライナーとワイヤーをシートチューブの闇の中に再び投入。もちろんこの時点では輪ゴムのような邪魔なものは外しておく。そしてシートチューブ開口部からライナーをするすると引っ張っていき、ワイヤーをシートチューブ開口部から確保、これでBB下からシートチューブ開口部まで、古いワイヤーが通った。
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新しいワイヤーでいきなりやっていればこれで作業終了だったのだが、新しいワイヤーでやる勇気はさすがになかった。

後は、古いワイヤーにライナーを通してBB下まで到達させ、古いワイヤーを引抜いて新しいワイヤーをBB下からライナーに入れ、シートチューブ開口部まで通す。
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ただし、ライナーはBB下のケーブルガイドをクリアできないので、先端をすこしハサミで細くし、ぐりぐり押し付けると、BB下ケーブルガイドのところからライナーが少しだけ見える状態になり、また少しの力では外れない感じにうまくはまる。
その隙に、古いワイヤーを抜き、新しいワイヤーを少しだけ見えているライナー入り口に差し込む。これがうまく入れば、そのままワイヤーはシートチューブ開口部から出てくるので、これにて無事に作業終了。今後のためにライナーはそのまま残しておく。
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シフトケーブル替えるだけで偉い難儀だったなあ。