ランニング たまに自転車 あとは酒

食欲とマラソンの両立を目指しています

自転車通勤

5年ほど前に2年間くらい自転車通勤をしていたので、自転車通勤に対する考え方を記しておこう。

既に快適な自転車通勤をされている方は読まない方がいいかもしれない。

結論から言うと、

自転車通勤はリスクとコストを伴う。それに見合う以上のメリットがないのであれば、あえてやる必要はない。

何も通勤に限ったことでないが、自転車に乗るという行為は、事故、故障、盗難といったリスクに晒されている。さらに、通勤時に自転車に乗るのであれば、着替え等を持参するなどのプラスアルファの手当てが必要になる。

したがって、こうしたリスクに自らを晒し、特に、余暇ではなく通勤という時間を使ってこうしたリスクに自らを晒したうえ、さらにプラスアルファの手当てまでするのであれば、それに見合う以上のメリットが得られない限り、そうした行動をとるのは賢明でない。と思う。

 

1. そもそも何のための自転車通勤か

では、それに見合う以上のメリットとは何であろうか。考えられるポイントは主に以下であろう。

①交通費を浮かすため

交通費節約のために自転車通勤をするという人がいるかもしれない。ただ、多くの企業は交通費支給であろうから、そうであれば自転車通勤をしたところで交通費の節約にはならない。むろん、会社から定期代をもらっておきながら定期券を買わずに自転車通勤をするというのは、れっきとした横領であるので、避けるべき。

交通費を自腹で払うケースであっても、天候・体調その他の理由により毎日例外なく自転車通勤をすることは実際上は困難である。自転車通勤をしないで公共交通機関を利用する日だけ切符を購入するということを繰り返すのであれば、もともと割安な定期券を購入して電車通勤をした方が安上がりの可能性もある。

したがって、いろいろなケースがあろうが、一般的に言えば、交通費を浮かすことは、自転車通勤によって得られるメリットにはなりにくいと思われる。

②自転車の方が速い

ごくごく通勤距離が短い場合、自宅から駅まで歩く間に自転車だと距離を稼げるので、自転車の方が電車より速い場合はあろう。また、私は東京23区の西の方に住んでいるが、この地域は東西方向の鉄道ばかり走っていて南北方向の鉄道が皆無である。仮に南北方向に通勤する場合には、自転車の方が早く着くことはあろう。

例えば小田急線の千歳船橋から中央線の荻窪まで通勤する場合、自転車で行けば距離は7kmなので、平均15m/hだとしても30分で着く。電車を使うと、約40分である。駅までの徒歩時間を加味すれば、さらに自転車が有利である。

こうした場合は、先に述べたようなリスクとコストを考慮しても、自転車で通勤するメリットがあると言える(ただし、ロードバイクでマジこぎする必要もない)。

③トレーニングになる

以前にも繰り返し書いていることだが、実走したとしても100mか200mで信号につかまるのであれば、全くトレーニングにならない。そんな乗り方で1時間かけて通勤しようが、運動の観点からいえば誤差の範囲であり、トレーニングどころかダイエットにすらなるか怪しい。時間の使い方から言えば、電車に乗って読書したり、座れれば睡眠に充てたりするほうが、よほど有効である。

ただ、ある程度の距離ノンストップで走ることができるコースだとか、ヒルクライムコースであるとか、そうしたコースで通勤するのであれば、前述のリスクやコストに見合う以上のメリットと考えることもできるかもしれないが、都内ではそうしたケースはあまりないだろう。

ちなみに、以前私が自転車通勤していたときは、片道19kmのうち10kmが川沿いのサイクリングコースであり、ノンストップで走行可能であった。特に固定ギアでそのコースを毎日のように走り続けることは、ある程度のトレーニングになったものと思っている。

④ただ単に自転車が好きだ。1秒でも多く自転車に乗っていたい

こういう理由の人も多いかもしれない。そういう人はどうぞご自由に。

 

2. それでも自転車通勤をする場合の留意点

①安全第一

事故にあっては元も子もない。ヘルメット着用など書くにも値しない当たり前のことであるが、交通量の少ないルートを選ぶ、路肩に余裕があるルートを選ぶ等、事故発生確率を自ら低下させるような取り組みが必要と思う。

②遅刻リスク回避

パンクは起こる。必ず起こる。私は2年間の自転車通勤で5回のパンクを経験した。往路のパンクは幸いにして1回だけ、しかも会社を目前にしてのパンクであったため、会社に遅れることはなかったが。

パンク修理はさすがに自分でできるように。また、パンク修理という時間ロスを考慮しても会社に間に合う時間的余裕を持つ。

万一、その場で修理できない故障・トラブルが発生した場合には、その場に自転車を停めて最寄りの駅から電車で会社まで通うというコンチプランも予め想定しておく必要がある。

③盗難リスク回避

窃盗犯には2種類いる。

1つは、フレーム、ホイール、コンポなどの換金を狙うプロの窃盗犯。彼らに対してはちょっとやそっとのロックは役に立たず、そうしたプロの窃盗犯からの被害を防ぐことは不可能と考えるべき。

もう1つは、自転車そのものに乗って行ってしまう素人窃盗犯。彼らに対しては、頑丈なロックにより被害をある程度防ぐことができる。

したがって、プロの窃盗犯がターゲットとする高価なロードバイクでの通勤はしない。クロスバイクであれば、売っても二束三文、コンポだって大したものがついていないので、プロの窃盗犯はターゲットにしない。

また、素人からの被害を防ぐために、頑丈なロックで施錠する。

私は、TrekのFX7.2という比較的低グレードのクロスバイク、または自作固定ギアという、どちらもカネにならない自転車で通勤しており、さらに頑丈なU字ロックと太目のワイヤー錠を併用していた。

また、素人からの被害を防ぐ(=乗って行かれるのを防ぐ)ためには、乗って行かれないような工夫をすることも有効。たとえば、チェーンを落としておく、サドルを抜いておく、ステムのボルトを緩めハンドルゆらゆら状態にしておく、など。

 

今は、職場が変わったこともあり、自転車通勤はしていない。何より、この年齢にもなると、仕事に遅れるかもしれないというリスクは、流石にとれない。