さて、いよいよ、リアエンド付近に傷がついたカーボンフレームの補修。
はっきり言って、ダウンチューブとかにクラックが入ったわけではないので、場所的には放っておいても全く問題なさそうだが、ちと目立つので対応することにした。これ、業者に持って行くと、「こんな場所放っておいて大丈夫ですよ」とは言わずに「結構深い傷ですねえ」とか言いながら7~8万円とられそうなので、自分でやることにした(最初から自分でやるつもりだったけど)。
学生時代にヨットに乗ってて、ぶつけまくって直しまくってたので、FRP(ガラス繊維だけど)の補修は慣れているつもり。最近では、ヨメが怒って投げつけた結果、画面のヒンジ部分が壊れてしまった子供のDSとかも直したっけ。
ただ、ヨットやDSと違い、破損=瞬時に事故、となるのが自転車なので、これまで以上の丁寧さが求められよう。
以下、参考にしていただく場合は100%自己責任でお願いしたい。それから、仮にダウンチューブやシートチューブなど、ダイヤモンド部分の破損だったならば、私でも業者に持って行くと思う。あくまで、エンド部分のさらに先端側だから自分でやるという判断をしたのである。
大きな流れ
1. 患部及び周辺部の塗装を紙ヤスリで削る
2. カーボン繊維を患部の大きさに切り、エポキシ樹脂に浸して患部に盛る
3. PP樹脂のフィルム等で上から押さえつけ、空気を抜く。
4. その状態のまま温めて硬化させる
5. 形を整える
1. 患部及び周辺部の塗装を紙ヤスリで削る
塗装面にはエポキシ樹脂は上手くのらないので、周辺部の塗装を紙ヤスリで削る。患部周辺にクラック等が及んでいないか確かめる意味もある。
2. カーボン繊維を患部の大きさに切り、エポキシ樹脂に浸して患部に盛る
カーボン繊維は20cm×20cmのものをアマゾンで購入。エポキシ樹脂はおなじみのGM-6800。
カーボン繊維は、エポキシ樹脂をいじる前に患部の大きさに切って準備しておくこと。そのうえで、10:3の比率で本液と硬化液を混ぜ、患部に塗り付け、カーボン繊維を患部に貼り、またエポキシ樹脂を塗り付ける。カーボン繊維をエポキシ樹脂に浸すと、端がほつれたり、樹脂の海から救い出すのに手間取ったりで、ろくなことがないので、塗り付ける方法の方がよい。
ここの部分の写真はありません。エポキシ樹脂まみれなので。。
3. PP樹脂のフィルム等で上から押さえつけ、空気を抜く
カーボン繊維を貼りつけた部分を、エポキシ樹脂に接着されないPP樹脂のフィルムで押さえつけて空気を抜き、押さえつけた状態でビニルテープ等で固定する。PPフィルムは、私は4で使うカイロの袋を使った。こんなんで十分。
なお、カーボン繊維の間に空気が入ると大失敗なので、しっかりと押さえつけて空気を抜くこと。最初は回りをPP樹脂の袋で密閉して真空ポンプで空気を抜こうかと思ったが、PP樹脂の袋で密閉するのが難しく、この方法は諦めた。このためだけに買った真空ポンプ(3000円くらいだけど)は全く無用の長物となった。
4. その状態のまま温めて硬化させる
上からカイロを貼りつけて固定する。ドライヤーがあれば温風を与えるとさらに良いらしい。とにかく温度が高い方が硬化が早いし、よく硬化するらしいので、今回のような冬場は特に温めることが大事。
このまま丸一日放置。
5. 形を整える
カイロ、フィルムをはがしてみるとこんな感じ。
いいんだか悪いんだか分からないが、とりあえず紙ヤスリで磨いて表面を整える。
こんな感じ? なんか何にもやらなくても良かった気がしてきた。なんとなく。
本当は塗装するんだろうけど、それは後日考えることとする。
留意点
①本文にも書いたが、カーボン繊維はあらかじめちょうどいい大きさに切っておくこと。一旦エポキシ樹脂に触り始めたら、カーボン繊維の大きさを整えたりなど全くできないと思った方がいい。なにしろべたべただから。
②これも本文にも書いたが、カーボン繊維は樹脂の海に浸すのではなく、樹脂を患部とカーボン繊維に塗る方法の方がよい。
③PP樹脂のフィルムでしっかりと押さえつけること。ここの丁寧さが仕上がりに大きく影響する。と思われる。
こんなとこ。
作業の難易度は想定の範囲内だったが、ヨットみたいに5cm×10cmにガラス繊維を切って、びしょびしょにエポキシ樹脂に浸しながら屋外でべたべた貼るような大雑把な作業ではないので、カーボン樹脂をちょうどいい大きさに切るところ、上手く患部にのせるところがやや難しかったか。