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食欲とマラソンの両立を目指しています

本州横断して日本海まで行ってきた(渋峠経由)その②

さて、いよいよ今日は渋峠越え、そして日本海まで。初日は200km超走った割にこれといった華もなく、向かい風の中をただただ我慢して進むだけだったが、今日はメインイベントが2つ。わくわくどきどき。
早速出発。

3. 草津 - 渋峠
草津から6kmほどの殺生河原ゲートが開くのは午前8時なので、比較的普通の時間に起きて、7時15分頃出発。
しばらく高原地帯の林の中を走る感じだが、草津スキー場を過ぎたところからつづら折りの上りとなる。しかし斜度はきつくなく、朝なので涼しく、鳥の声なぞ聞きながらの比較的快適な上り。樹木の数が減ってきて視界が開け始めたところで、殺生河原のゲートに着く。7時50分着。10分早かった。
月曜日のせいか、ゲートで待っていた車は3台のみ。ロードバイク乗りは私だけ。週末はもっと混むのだろう。
8時ちょうどにゲートが開き、ライド再開、いざ渋峠へ。
ちなみに、今回の渋峠が普段の峠ライドと根本的に違うのは、脚をつかずに上り切ろうというつもりなど最初からないという点。これだけ(ってまだ行ってないけど)景色がよいところを走るのに、写真もとらずに通り過ぎてしまうのはあまりに勿体ない。ふつうの峠であれば、脚をついてしまうと、そのときの敗北感、それから、その後、頂上まで到達したときの居心地の悪さがどうしようもないのだが、渋峠の場合は、写真も撮らずに通り過ぎてしまうことの後悔の方が大きいだろう。

殺生河原のゲートを過ぎて右カーブに差し掛かると、すぐに火山ガス噴出地帯(ここがいわゆる殺生河原)。硫黄の臭いが鼻につく。ガスが出ていて危険なので駐停車禁止の標識が立っている。我々サイクリストはそんな中を有酸素運動で思いっきり呼吸しながら突っ切っていく。。ただし、ここは平坦な区間なので、それほどゼーハー言うようなことはないのだが。。
ここを過ぎると一気に視界が開ける。
わお。
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勾配はきつくなく、5~7%程度、ごくまれに10%弱があるかないか。
と言うか、景色が雄大過ぎて、斜度の感覚もきつさの感覚も麻痺してる感じ。

無駄なこと書くよりも、写真を載せた方がよいであろう。

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いつもは、峠なんて、上り始めた瞬間に「あ~早く終わんないかな」と思うのだが、この道であればいつまででも続いて欲しい、と思いながら上れる。
いや、ホント。上り嫌いの私が言うんだから。

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こんな感じで上っていくと白根山レストハウスで一旦ピークを迎え、その後はアップダウンを多少繰り返す。
これが山田峠に下りる道。よく写真で出てくる。この肩の部分が山田峠。
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普段だったら、「下ってまた上らすくらいなら最初から橋でもかけとけよ(怒)」と思うのだが、今日は思わない。

あともう少しの地点。
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つ、着いた。
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ここから少し下るとすぐに渋峠ホテル。9時20分着。
お約束の写真。
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で、お約束の到達証明書。1枚100円。時刻を印字してくれる。
子供のお土産にと計3枚購入。「3枚買ってもいいんですか」と聞いたら「別にどうぞ」。ま、証明にはなってないわな。。
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予定よりやや早めに到着できたので、中に入ってあったかい紅茶を飲む。ふーっ。

4. 渋峠 - 飯山
ここから湯田中までダウンヒル。ウィンドブレーカーを着て出発。
長野側の方が森林限界が高い気がする。つまり見晴らし・景観は群馬側の方がすばらしいと思う。平日で車も少なく、極めて快適なダウンヒル。ただし渋峠ホテルを出てしばらくは、左側が断崖絶壁だったりするので、落ちたら多分死ぬ。
途中木戸池らへんで少し上ったりもするが、基本下り一辺倒で、ループ橋を過ぎてしばらく行った沓野渋ICで292号から分かれて渋温泉の方に入る。かなり人里まで下りてきた感があるが、ここでもまだ標高700mほどある。突き当たりを左折して夜間瀬川沿いの道を下っていく。
振り返ると今下りてきた山が。
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夜間瀬川沿いの道は、漕がなくても進むし、かといってブレーキもかけなくていいし、直線だし、あ~、こういう道、超好き。快適過ぎて知らない間に湯田中の温泉街を通り過ぎていた。一休みして温泉まんじゅうでも食べようかと思っていたのだが。。
夜間瀬の交差点を左折して夜間瀬川を再び渡り、すぐを右折して県道355号に入る。道幅は狭いが、蔵とかがあったりして昔ながらの信濃の町並みという感じ。以前に小海・佐久あたりの県道を走った時もこんな感じの道だった。そこまで書いたら写真撮っとけと思うが、写真はない。

再び突き当ったところを右折して県道414号へ。
遠く白馬連峰が見えた。写真じゃわかんないな。。
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何てことない風景だが、日本の原風景的でこういうの好き。
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比較的走りやすい道を9kmほど走り、綱切橋を左折して千曲川を渡ると、飯山に着く。11時20分。

飯山でも時間に余裕があったので、店に入って座って食事をとることにした(自分ロングライド史上初)。飯山駅前のお好み焼屋さん。チーズオムそば(推定800kcal)で補給。

5. 飯山 - 直江津
渋峠をクリアして下まで降りてきて、今日の仕事はほぼ終わった感があるのだが、実はここからもう1つ分水嶺を超えなくてはならない。
北飯山の駅の裏を通って再び国道292号へ(渋峠を通るのも292号だった。あ、続いてるんだ)。ここから4kmで240m上らなくてはならない。平均斜度6%なので、大したことないといえば大したことないのだが、仕事を既に終わらせたつもりで片手間程度でとりかかると結構きつい。1kmほど走ると登坂車線が現れ、一時的に10%超となるが、これを乗り切ってしまえばあとは6~7%なので何とかなる。ただし、標高が低いのと日光が背中から直射するので、暑い。いや、もうこれ以上暑くなったら坂なんか上れないよ。真夏とか無理でしょ。これから梅雨だし、自分的にはもうシーズンオフ、皆さん10月にまたお会いしましょう(半分ウソ。半分だけ)。
景色は、緑豊かで川も流れていてそれでいて日光が照りつけていて、いい意味での日本の田舎という感じ。子供のころ虫取りしたり川遊びしたりしたような風景(自分は東京育ちなので推定)。
最後の方でもう一度登坂車線が登場するが、これは9%程度の傾斜。これを乗り越えて左カーブで橋を渡るとスノーシェルターが見えてくる。このスノーシェルターが頂上のトンネルにつながっており、これにて上りは終了。お疲れさま。
さあ、あとは日本海に向かって下るのみ。
292号はところどころ1車線のところがあったりするので、あまりスピードは出せないが、それでも傾斜的には快適にダウンヒルできる傾斜。

ちなみに頂上のトンネルが県境ではなかったよう。下りの途中でついに新潟県入り。
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こういう川も好き。
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突き当りを右折すると新井(妙高市)の市街地に。飯山から30kmくらい走ったのでコンビニで休憩を入れる。
新井から直江津までなにげにまだ20kmくらいあり、さっきの分水嶺を超えた時点でこれ以上辛いこと、面倒なことは一切やらなくて済むと思い込んでいた身には、平坦(かつ向い風)の国道を20km走るのが意外と苦痛だった。
上越妙高駅を過ぎて高田(上越市)の市街地に入ると片側2車線になるが信号が多くなかなか距離も稼げない。上越妙高駅からの最後の10kmが意外と精神的にはきつい。受ける向かい風がひんやりとしてくると、国道8号線との交差点。これを超えればもうすぐ。
最後はなぜか上って突き当り、海に着く。突き当たったところは食堂が立っていて海に下りられそうな場所ではないので、左折して海沿いをしばらく走り、夏には海水浴場になるような場所を見つけた。14時15分着。

つ、着いた。。
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一回これやってみたかった。
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17時13分上越妙高発の新幹線まで時間が有り余っていたので、もともと上越妙高まで自走の予定だったが、これ以上漕ぐ気力もなかったので、直江津から電車で上越妙高まで行くことにした(時間があるから自転車でなく電車で、ってのも変な話だが)。疲れた。


パパ、ママ、ボクもうこがなくていいんだよね。。
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6. 感想
渋峠、個人的には素晴らしかった。自転車でああいうところを走れるのは幸せだと思った。右のドアの向こうで美女が誘惑してて、左のドアの向こうに渋峠があったら、左のドアを選ぶと思う。あ、でも家から自走はもう勘弁。草津まで車で行って温泉入って、で渋峠往復ってのがいいな。
日本海到達については、自分の脚で日本海まで来たということについてもう少し感慨を持ててもよさそうなのだが、ヒルクライムのように上って達成というのではないからか、渋峠が良すぎたのか、あんまり達成感というのは感じなかった。でも、家に帰ってもう一度地図を見てみれば、まあ、40も超えたおっさんがよく走ったな、とは思う。年齢的にも、社会的にも、家庭的にも、「渋峠経由日本海まで」ぐらいが、ロングライドとして自分に許される最大のものだと思う。それを最高の天気のなか、事故も機材トラブルもなく達成できたことを幸運に思う。

走行距離:たぶん105kmくらい(Lezyneのサイコンが途中からGPSを拾わなくなったため、ルートラボの数値)。