1泊ロングライドをまた実施するかどうか極めて不明ではあるが、年末に1泊ロングライドをやった際にはバックパックを背負っていった結果、腰に多大な負担がかかったため、大容量サドルバッグを物色することにした。
検討のポイント
1.容量と重量
本州一周するわけでもないので、まあ、10L以上であれば十分かと。
また、どうせ荷物を入れるのだから多少の重量差にこだわるつもりはないが、他が同じなら軽い方がいいに決まっている。
2.デザイン
上手くテキストで一般化して書けないが、デザインはかなり重要。
3.使い勝手
このように書くと一言になってしまうが、例えばショックコード(バンジーコード)がついてるかとか、荷物の出し入れがしやすいかとか、エア抜きバルブがあるかとか。。
4.防水性
雨が降ったら、荷物の防水以前の問題として、安全の観点から基本的には走らない前提だが、不意の降雨で荷物がダメになるリスクは避けたい。
5.ブランド
どこがいいとかいうのがあるわけではないが、カバンの類は信頼できるブランドのものを買うべきだろう。
6.その他、ディールブレーカーになるような要素がないこと
カーボンシートポストはだめだとか、サドルとタイヤの間隔が足りないとか、そういう要素がないこと。
なお、余談ではあるが、この手の記事を書くときの基本スタンスについて記しておきたい。
まず、無責任なオススメ記事を書くつもりはない。本来、オススメという行為をするなら、全ての、少なくとも大半のアイテムを実際に試した上で比較しない限りできないはず。そんなカネも時間もない一個人ができることと言えば、重視するポイントを明らかにした上で自己の判断によってどれかを選択し、そのアイテムを実際に使ったうえで絶対的な(≠相対的な)レビューを行うことが、せいぜいできる精一杯の真摯なスタンスであろう。
逆に、どれも良さそうだとか、人それぞれだとかいう記事も、結局役に立つとは思えない。人によって重視するポイントが異なることは承知の上で、それでもなお、自分としての判断を示すことを心がけたい。
比較検討
大容量バッグの種類は数多くあるが、とりあえず以下の7つを比較してみた。
Ortlieb Seat Pack | Apidura Saddle Pack Dry | Revelate Design Viscacha/Pika | Oveja Negra Gearjammer | Arkel Seatpacker 15 | Suew Rera Light | Topeak Backloader | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 16.5L | 14L | 14L/12L | 12L | 15L | 10.2L | 10L |
重量 | 456g | 350g | 392g/357g | 357g | 720g | 440g | 413g |
防水性 | IP64(飛沫に耐える) | 継続的な雨に耐える | 記載なし | 防水素材 | "completely waterproof" | レインカバー(op) | ドライバッグ内蔵 |
袋の形状 | 仕切りなし | 仕切りなし | 内部にストラップあり | 仕切りなし | 仕切りなし | コンパートメント | 仕切りなし |
エア抜バルブ | ◯ | △* | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ◯ |
ショックコード | ◯ | ◯ | △* | ☓ | ☓ | ◯ | ◯ |
テールランプ取付 | ◯ | ◯ | ☓ | ☓ | ◯ | △(op) | ◯ |
タイヤクリアランス | - | 18cm | 24cm*/20cm | - | 20cm | 17cm | -* |
シートポスト必要長 | 14cm | 8cm | 13cm/8cm | - | - | - | -* |
生産国 | ドイツ | 中国* | 米国 | 米国 | カナダ | - | - |
実勢価格 | 17,150円(Amazon) | 17,000円(直販) | 18,000円(bike24) | 15,000円*(直販) | 24,000円(直販) | 27,381円(直販) | 7000円程度(国内通販) |
-は情報なし。
"*"は下記補足記事に説明あり。
実勢価格は送料込み。
このほかにも、日本でポピュラーなものとして、Blackburnのoutpost seatpackやSpecializedのBurra Burraがあるが、これはカーボンポストへの取付について"not recommended"/"not compatible"となっているので、検討対象から外した。
あと、Bedrockとか、軽さを求めるならKS Ultralightとかもあるが、きりがないので、表には載せていない。
補足説明
1.Ortlieb
容量は大きいし、防水性能は高いが、あの細長く斜め上に伸びていくデザインが、個人的には品がなくてどうにもダメだ。
2.Apidura
Apiduraの防水バージョン。エア抜きバルブはついてなさそうなのだが、"Hands-free air release vent for hassle-free compression"というSpecificationの記載がある。他のレビュー記事を見てもよく分からないのだが。。
デザインも嫌いではなく(特に防水バージョン=Saddle Pack Dryの方は色が濃い目でよろしい)、機能的にもバランスがとれていると思う。
ただ、14Lはデカい。その下の大きさだと9Lでやや小さいか。。
Made in Chinaである点(ただしメーカーHPではなく他ユーザーのレビュー記事による)が気にはなるが。。
3.Revelate Design
Viscacha(14L)、Pika(12L)、Terrapin(14L、ドライバッグ式)の3つがある。容量的にはPikaでも十分かもしれない。
弱点は防水性能がないこと。ドライバッグをシェルに収納するタイプのTerrapinは重量が500g超となるのがさすがにネック。また、ドライバッグ方式は、ドライバッグだけを取り出してみたときに何となくズタ袋っぽくなってしまうのが、どうも気に入らない。
バッグ上面にショックコードを通すためのリングはあるが、ショックコードはついていない。ただし、その部分に別売のSpocketというのを付けることができるようになっている。財布等をそこに入れておけば、例えばコンビニ等で買物するときはそれだけを外して持って行くようなことができそうで、非常に便利そう。また、内部にも前室と後室を分けるストラップがついている。
タイヤとのクリアランスは、Viscachaの場合で、HPでは9.5インチ(24cm)必要となっているが、日本でのレビュー記事では20cm必要となっている。自分のバイクの場合、22cmで結構ギリギリなんだよな。。
4.Oveja Negra
デザインは悪くないと思うが、機能面がいまいち。というかHPの情報が少なすぎてよく分からないというのが本当のところ。
直販で130ドルで買えるが、送料については連絡する、となっているので、出来上がりいくらかすらも分からない。。
5.Arkel
これは他のと少し違い、サドルレールにラック状のものを取付け、それにバッグを装着するというもの。ラックにバッグを面で固定するため安定性は高そうだが、ラックの分だけ圧倒的に重い。
上面にはループが2か所あるが、2か所じゃショックコードを通しても仕方ないので、何に使うのやら。。
ただし、ラックを通す部分がジッパー付のポケットになっていてそこに財布等を入れられるのは便利そう。
6.Suew
ん~、さすがに日本のモノだけあって、いろいろと考えて作られている。
表には書けなかったが、開口部が上面にあって大きく開くようになっていたり、内部が2つに分かれていたり、輪行時に背負うことができるようなストラップが別売ながら準備されていたり。デザインも凄くいい。
容量に比して重量が重いものの、それを補って余りあるメリット。内容だけ見れば、他と比べて圧倒的に良いように見える。
ただ。。
価格が高いのは目をつぶるとしても、納期が4~5ヵ月ってのがちょっと許容範囲を超えてる。。
7.Topeak
他のモノを比較している最中にTopeakからも出ていることを知った。
本当は1万円以下のものは対象から外そうと思っていたのだが、Topeakはサドルバッグメーカーとしてしっかりとした実績を持つ企業なので、対象に含めた。
必要クリアランスの表示が分かりにくい(バッグとタイヤとの間に9cm必要と書いてあるだけで、サドルとタイヤの必要クリアランスが分からない。バッグが手元にない状態でどのようにして9cm確保できるかを確かめろというのか不明)が、まあ10Lクラスのバッグであれば大丈夫であろう。
ていうか、防水仕様だし、ショックコードやテールライト取付部有など、基本的なところは押さえてあるので、これでいいじゃん、という気になってきた。
結論
実はこの記事、2日ほどかけて書いていて、防水性能を重視するならApidura, 使い勝手とデザインを重視するならRevelate DesignsのPikaだと思って正直迷っていたが、その矢先にTopeakからも防水仕様のものが出ていることを知った。基本的な機能はしっかり押さえてあるようだし、価格が安すぎるのが心配だがTopeakは信頼できるメーカーなので、まずはこれでいいかという気になった。デザインが多少野暮ったいのは目をつぶろう。品がないよりはいい。
あとは、すぐ使う荷物へのアクセスが課題(Revelate Design、Arkel、Suewだけがこの問題を解決している)だが、これは工夫の余地がありそう。
また、最近のもの過ぎてレビュー記事も少ないので、人柱になってみてもいいかという気になった、というのもある。
よって、まずはTopeakのものを試してみることにする。