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書評① ロードバイクの科学

書評

次第に過去ネタが枯渇してきたことが疑われる動きであるが、ロードバイク関係の書評にいったん逃げることにする。。

まずは名著「ロードバイクの科学」。
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ロードバイクに乗る人は、速く走りたい、走れるようになりたいと思うのが普通であろう。
速く走るために何が必要かということについては、ネットや雑誌等の媒体からいろいろな情報が入ってくるし、自分で走っているなかでさまざまな推測や仮説も生まれてくる。
「空気抵抗を減らすにはエアロホイールがいいらしい」「ロードバイクは軽さが命だぜ」「下りより上りで頑張るべし」などなど。
この本に出会うまでは、方向性としてこうしたことが正しいであろうことは分かっていても、これらがどのくらい重要なのかを手触り感のある形では知らなかった。
この本は、筆者自らが実験をし、こうしたことについて数字で示してくれている点が、他の自転車本にはない圧倒的に優れている点である。
例えば、空気抵抗について言えば、ハンドルのブラケットを持つ場合の空気抵抗を100とすると、下ハンを腕を曲げて持つ場合は92、エアロバーでは75と、ポジションによって空気抵抗が大きく減ることが示されている。多少の軽量化よりもポジションによる空気抵抗減少の効果の方が圧倒的に大きいのである(私が、短い(例えば380mm)ハンドルバーが良い、と思っているのもこうしたことにinspireされている)。
また、エネルギーマネジメントの項も、さまざまなケースにおいてヘタレないで走るための必要エネルギーが具体的に数字で示されている。
数字で示すなどして具体的な処方箋を提示するには、地道なデータ収集による実験や長年の経験に裏打ちされた知識が必要であり、感覚的・情緒的な文言を並べてとりあえず売ろうとするそこら辺の本とは違う。また、読者層が様々であることやそもそも状況に応じて真実値にブレがある可能性があるなか、具体的な数字を示すことは勇気のいることでもあるが、それでもその方が読者の役に立つだろうという思いで、この本は出来たのであろう。
そのほかにも、ホイル組みの項など、役に立つ記載が満載であり、ロードバイクが好きな人はこれを読んでもっと好きになるだろう。

SJセレクトムックno.66「ロードバイクの科学」 ふじいのりあき著 スキージャーナル