今日は手組ホイールについて書いてみたい。
速く走るために必要なのは、ポジショニングとかペダリングスキルというベーシックなものがクリアーになっているという前提ならばトレーニングをおいてほかにない。やれコンポだエアロパーツだといった装備は、野球選手のグローブやサッカー選手のシューズと同じようなものであり、そうしたものにこだわるのは、それなりのものを持っていたいという、経験を積んで来れば生まれてくるごく当然の思いではあるものの、高いパフォーマンス(自転車の場合速く走ること)とはあまり関係がない、というのが大くくりに言えば事実といって間違いない。
ただしホイール(あとタイヤね)だけは別であり、回転部分であるホイールの軽量化は加速性能及び登坂時のパフォーマンスに大きな効果があるし、それと両立は容易ではないが、ホイールのエアロ化による空気抵抗(リムの空気抵抗のみならず、回転によるスポークの空気抵抗)の低減は、高速走行時の必要動力の低下に有意な効果がある。らしい。
したがって、「速く走るためにはどうしたらいいですか」の問いに対して「ホイール替えろよ」という回答は正しい。尤も、ホイール替えるというのは、技術の上達なくパフォーマンスのみが上がるというものなので(上がらない人ももちろんいるが)、いわば木製バットを金属バットに替えるようなもの。技術の上達のためには野球でも練習ありきだし、自転車で言えばローラー台とパワーメーターを先に買うべきだろうが。。
前置きが長くなったが、ホイールを替えることで、とりあえず走りは変わる。ただし、完組買うなら5万円程度の中途半端なものを買ってもカネのムダであり、軽量化を図るなら最低でも前後で1300gくらいのものを買わないと意味がなかろう。そうすると、仮に完組を買おうとすると、ロードバイクが1台変えてしまうくらいの投資をするという決断が必要になってしまう。
私は、自分でやりたがりなのと貧乏性のため、完組ホイールというものを買ったことがない。完成車買ったときについていたホイールか、自分で組んだ手組ホイールしか持っていない。手組ホイールのいいところは、同じ重量のホイールならば圧倒的に安くできること。また、リムとスポークの組み合わせなど自分で好きに選択できること。デメリットは、やはり命を預けるものなので、剛性を考慮しないと最悪スポーク破断、リム変形等のリスクがあること。また、実態的にはカーボンリムで組むのは素人には困難であろうこと(出来る人、ごめんなさい。私は怖くてできません)。
で、これまで5本組んだ。どれも以前に組んだものなので、写真説明入りでご丁寧に組み方を説明することはできない(そうした親切なブログを私も参考にさせてもらったが)が、あえて言えば、素人が自分で組んだこのスペックのホイールを使ってますが5年経った今でもちゃんと生きています、ということが言えるのが若干の付加価値であろうか。
ホイールを組むのに必要な工具類
ホイール組みは、知識と丁寧さと必要な工具類の3つがあれば、だれでも出来る。まず、必要な工具類。1~4は必ず必要。エアロスポークで組む場合は5も必要。
1. 振れ取り台
プロ用のはえらい高いのでミノウラので十分と言われているが、私のなんか、E-bayで買った、どこのやつだかもよく分からん振れ取り台。最近組んでないけど、これからも組むんだったら、まあ、買い替えたいところ。
2. ニップル回し
ホイール組む作業っていうのは、仮組みした後は、スポークテンションの調節が全てなので、ニップル回しは重要。写真のはパークツールのに似てるが、安いやつ。ニップルをなめてしまうことがなければ、別にどこのでもいいと思うが。。。
3. テンションゲージ
ホイールの剛性は、基本的にスポークのテンションに依存するので、必要なテンションをかけるために絶対必要。
4. センターゲージ
ホイールのセンターを出すために必要。E-bayでタダ同然で買った中古品。これもちょっと恥ずかしいから買い替えたい。。
5. スポークホルダ
特にエアロ形状のスポークで組む場合、ニップルを回すときにニップルと一緒にスポークも回転してスポークが撚れてしまうのを防ぐために、このスポークホルダを使う。切れ込みが入っているところにエアロスポークを挟み込み、スポークが回らないように抑えながら、もう一方の手でニップルを回す。
眠いのでもう寝ることにして、次回、組む時の考え方や、実際に組んだホイールを紹介する予定。